「聖櫃(せいひつ)」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

「聖櫃(せいひつ)」とは、キリスト教おいて使われる<特別な箱>を指す言葉です。元々は、モーセが神様から授かった「十戒の板(石板2枚)」をエルサレムの神殿内に収めていた黄金の箱のことを指します。この箱は「聖櫃」とも訳されますが、キリスト教においては「契約の箱」と訳されることも多いのです。箱の材料、大きさ、作り方などの規定は、旧約聖書の「出エジプト記」第25章・第10〜第22節に書いてあります。2本の棒で担ぐことやご神体を運ぶという観点では、日本の神社の神事(例祭・大祭)での「御神輿(おみこし)」と似ていますね。

ちなみに、この聖櫃がクリスチャンではない皆さんに広く知られることになったのは、1981年に公開されたアメリカの映画『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(Raiders of the Lost Ark)ですね。アドベンチャー映画で、『インディ・ジョーンズ シリーズ』の第1作目です。スティーブン・スピルバーグ監督、ハリソン・フォード主演でした。奇しくも(くしくも)昨夜テレビで放映していましたね!
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現在のカトリック教会における「聖櫃」とは、ミサで使用する“キリストの身体に聖変化したパン(ご聖体:ごせいたい)=ホスチア”を納める箱・容器(写真)のことをいいます。現在では、聖体が納められているかどうかを聖櫃の近くに設置した、小さなランプ(通常は赤色)が灯っているかどうかで示しています。聖堂の一番前にある十字架の近くに設置されています。
◯写真は、カトリック相模原教会の聖櫃です。
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木製や金属製の箱型で、壁に収納されている場合もあります。聖堂の一番前の壁側に設置されていますので、聖堂で一人でお祈りする時は、この聖櫃に一番近い場所で聖櫃に向かってお祈りします。これは、イエス・キリストの身体(ご聖体)の納められた箱だからですね。だからといって聖櫃にお祈りしているわけではありません。お祈りは神様に向かってです。「ホスチア」のことは、「ホスチアのお話し(キリスト教用語)2016.10.13」https://jesus195876.blog.so-net.ne.jp/2016-10-13 をご参照ください。

◯旧約聖書:出エジプト記・第25章・第10〜第22節
「アカシヤ材で箱を作りなさい。寸法は縦二・五アンマ、横一・五アンマ、高さ一・五アンマ。純金で内側も外側も覆い、周囲に金の飾り縁を作る。四つの金環を鋳造し、それを箱の四隅の脚に、すなわち箱の両側に二つずつ付ける。箱を担ぐために、アカシヤ材で棒を作り、それを金で覆い、箱の両側に付けた環に通す。棒はその環に通したまま抜かずに置く。この箱に、わたしが与える掟の板を納めなさい。次に、贖いの座を純金で作りなさい。寸法は縦二・五アンマ、横一・五アンマとする。打ち出し作りで一対のケルビムを作り、贖いの座の両端、すなわち、一つを一方の端に、もう一つを他の端に付けなさい。一対のケルビムを贖いの座の一部としてその両端に作る。一対のケルビムは顔を贖いの座に向けて向かい合い、翼を広げてそれを覆う。この贖いの座を箱の上に置いて蓋とし、その箱にわたしが与える掟の板を納める。わたしは掟の箱の上の一対のケルビムの間、すなわち贖いの座の上からあなたに臨み、わたしがイスラエルの人々に命じることをことごとくあなたに語る。」
『新共同訳聖書』から
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