「キリスト教一致祈祷週間」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

2023年のキリスト教一致祈祷週間は、1月18日(水)~25日(水)の期間で全世界で行われます。今回のテーマは、「善を行い、正義を追い求めなさい」(旧約聖書:イザヤ書・第1章・第17節)です。キリスト教の諸教会では、毎年この1週間を“キリスト教一致祈祷週間”と定めています。切に祈られたイエス様の心を大事にして祈る期間です。
キリスト教会の歴史では、16世紀にルターによる宗教改革が起こり、キリスト教世界に対して、聖書(福音)の純粋な精神に立ち戻るように呼びかけました。しかし、歴史の中で政治や民族抗争などが絡み、教会分裂と混乱が生じました。20世紀になって、世界各地でキリスト者が教派を超えて一致しようという運動が盛んになり、1968年以来、毎年テーマを決めて、一致のための祈りがささげられています。

毎年、キリスト教一致祈祷週間で使われる資料は、世界教会協議会(WCC)と教皇庁キリスト教一致推進省の共同事業として、各国から選ばれたキリスト教諸教会が協力して作成しています。2023年のキリスト教一致祈祷週間のテーマは、ミネソタ教会協議会が招集した米国のキリスト者グループによって選ばれ、資料が準備されました。このグループは、2020年12月に最初のオンライン会合を持ち、その後も検討を重ねてきました。2021 年9月19 日から23 日の間、キリスト教一致祈祷週間の資料をまとめる国際グループが、スイスのシャトー・ドゥ・ボッセーでミネソタ教会協議会の代表者と会合をもち、最終的な資料の準備を進めてきました。ミネソタ州は、長年にわたって全米における最悪の人種間格差を抱えてきましたが、ミネソタ教会協議会はこの歴史的な人種差別の問題に熱心に取り組み、最近では、ミネソタは人種差別撤廃の発信地となっています。キリスト教一致のための祈りは、ミネソタでの取り組みに見られるように、神の似姿としての尊厳をもって創造された人間であるわたしたちの間を隔てるものと格闘する中で行われるとき、さらに重要な意味をもつのです。
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日本でも、世界に広がる教会と心を合わせてキリスト者の一致を祈るため、カトリック中央協議会と日本キリスト教協議会が共同で翻訳した資料を小冊子『キリスト教一致祈祷週間』として発行し、ポスターとともにご案内しています。小冊子には以下の内容が盛り込まれています。
・その年のテーマの解説
・エキュメニカル礼拝式文
・八日間の聖書の黙想と祈り
・作成担当国のエキュメニズムの現状
この小冊子は、キリスト教一致祈祷週間の期間だけでなく、一致を求める個人の祈りや共同の祈りのために年間を通して用いることができるよう配慮されています。各教会にこの小冊子(写真)が届いているのではないかと思います。小冊子の内容は、今年のテーマの解説、エニュメニカル礼拝式文、8日間のお祈りと黙想の聖句などが載っています。
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