旧約聖書:ヨブ記・第1章・第6~第12節、新約聖書:ヨハネの黙示録・第12章・第7~第9節 [聖書]

「ある日、神の子らが来て、主の前に立った。サタンもその中に来た。主はサタンに言われた。「あなたはどこから来たのか。」サタンは主に答えた。「地を巡り、歩き回っていました。」主はサタンに言われた。「あなたは私の僕ヨブに心を留めたか。地上に彼ほど完全で、正しく、神を畏れ、悪を遠ざけている者はいない。」サタンは主に答えた。「ヨブが理由もないのに神を畏れるでしょうか。あなたは彼のために、その家のために、また彼のすべての所有物のために周りに垣根を巡らしているではありませんか。あなたが彼の手の業を祝福するので、彼の家畜は地に溢れています。しかし、あなたの手を伸ばして、彼のすべての所有物を打ってごらんなさい。彼は必ずや面と向かって、あなたを呪うに違いありません。」主はサタンに言われた。「見よ、彼のすべての所有物はあなたの手の中にある。ただし彼には手を出すな。」サタンは主の前から出て行った。」
『聖書協会共同訳聖書』から

主とは神様のことです。神の使いとは天使のことですね。そして、なんと!神様や天使のいる天の国に、なぜ“サタン”がいるのでしょうか?一般的にサタンとは、「悪魔」などと言われますが、「敵対者」と訳す場合もあります。どうして神様はサタンを生かしているのでしょうかΣ( ̄ロ ̄lll) それに神様と会話までしています( ̄▽ ̄;)
一般的にキリスト教神学において、サタンはかつて神に仕える「み使い(御使い:みつかい)」)でありながら、堕落して「堕天使(だてんし)」となり、地獄を支配する悪魔の概念ということです。罪を犯して堕落する前のサタンは、主に使える美しいみ使いでしたが、神に反逆して「敵対者」としての悪魔に変化したとみなされているのです!

キリスト教の伝統によると、サタンの中でも有名なのが「ルシファー」という名の御使いで、多くの天使を率いる十二枚の翼を持った美しい大天使長であったともいわれています。しかしある時、神に敵意を示して自分に賛同する天使達を集め、天使軍団の総帥である大天使聖ミカエルの率いる神の軍団である天使軍団との戦うのです。しかし、長い戦いの末に敗北し、ルシファーとルシファーに組した天使の三分の一は天界から地上に投げ落とされてしまったということです。この様子が新約聖書の「ヨハネの黙示録」に記載されています。
◯新約聖書:ヨハネの黙示録・第12章・第7~第9節
「さて、天で戦いが起こった。ミカエルとその使いたちとが、竜に戦いを挑んだのである。竜とその使いたちも応戦したが、勝つことができず、もはや天には身の置き所もなかった。こうして、巨大な竜は投げ落とされた。あの太古の蛇、サタンとも悪魔とも呼ばれたもの、全世界を惑わすものは、地上に投げ落とされた。その使いたちも、もろともに投げ落とされた。」
『原文校訂による口語訳フランシスコ会聖書研究所訳注聖書』から

ということは、旧約聖書の「ヨブ記」が書かれた時代のサタンは天の国にいますが、新約聖書の「ヨハネの黙示録」が書かれた時代には、天の国から地上に投げ落とされたのですね。これには、昔からいろいろな解釈がされているようですが、どうもサタンとは「告発者」という意味だとか、サタンが悪魔だというのは、後世において定義づけられたといわれていす。
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