初夏到来! [今日の言葉(詩・その他)]

「目には青葉 山ホトトギス 初鰹」

これは俳句ですね。この句の作者は、江戸時代前期に活躍した俳人の山口素堂です。35歳ごろに鎌倉で詠んだそうです。1678年に池西言水によって発行された俳句集「江戸新道」に収められています。現代語訳すると「目には初夏の青葉がさわやかに映り、耳にはホトトギスのさわやかな声が届き、口では初物の鰹を味わえる素晴らしい夏だ」となります。この句は、①青葉、②ほととぎす、③初鰹の3つが季語として成立しています。季節はすべて「夏」ですね。

「初夏」は、5月初旬から6月初旬ごろとなります。季語の「青葉」は、広葉樹の若葉から濃緑葉まで、青く茂っている様子を現しています。よく見られる木ですと、桜や欅を見れば分かりますね。桜の花が散ると、最初は新緑の若葉が生えますが、夏ごろになると濃い緑色の葉に成長します。青みが増した葉がたくさん茂っている様子を思い起こさせる季語ですね。

次の「ホトトギス」は、和歌の時代から詠み継がれてきた季語の一つで、夏鳥であるホトトギスは、5月ごろに日本へやってきて、秋冬頃には南に渡っていきます。林や小森などに暮らし、ウグイスの巣に卵を産み、育ててもらう托卵の習性があります。初夏に「キョッキョッキョッ」と鳴いて飛来するため、田植えを知らせる鳥として古くから知られていました。

最後の「初鰹」は、鰹は回遊魚で、春になると黒潮に乗って北上し、初夏になると太平洋岸、伊豆半島沖や房総半島沖へやってきます。江戸時代に「初物を食べると七十五日長生きできる」という言い伝えがあり、初物とはその年初めて収穫されたもので、初鰹は初夏を知らせるものとして珍重されたそうです。特に、初鰹は江戸っ子からの人気が高かかったそうです。
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