「ロザリオの月」&「ロザリオの聖母」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今月は「ロザリオの月」であり、今日10月7日は「ロザリオの聖母」の記念日です。このブログの2019年10月13日に掲載した記事を一部修正して再掲載いたします。
この絵は、バルトロメ・エステバン・ペレス・ムリーリョ(1617年~1682年)作の作品です。バロック期のスペインのセビーリャ派を代表する画家です。『ロザリオの聖母』は代表的な聖母子画作品の一つとなっています。暗みを背景に、しっかりと頬を寄せて画面の中からこちらを見つめる母と子。大きな黒い瞳は、お母さんである美しい聖母マリアに、とてもよく似ていますね。可愛らしい幼な子イエスは、自らの意思でしっかりと母の膝の上に立っています。それでも、どこか頼りなく、思わずすがるように首に伸ばした手の感触の愛おしさは、子どもを持つお母さんなら誰でも知っていることでしょう。聖母マリアの手にはロザリオが握られています。
この絵の主題は、ドミニコ修道会の創始者聖ドミニコが、祈祷中に聖母マリア様が現れロザリオを与えたとの伝承より、ドミニコ修道会の象徴する代表的な聖母子像とされ、ムリーリョが最も好み描いた主題でもある≪ロザリオの聖母≫を描いたものです。故郷セビーリャを中心に圧倒的な人気を得て、19世紀末期にベラスケスが再評価されるまで、国内外でスペイン最大の画家として名を馳せたのです。
ロザリオの聖母.jpg
前述のとおり、“ロザリオの信心”は、修道会のドミニコ会を創立した聖ドミニコ(1170~1221)が、アルビ派の異端者と戦っている時、聖母マリアからの啓示を受けたのが始まりだとされていますが、さらにドミニコ会士らがこの信心の普及に尽くしたことも大きいようです。一定の形式の祈りを連続して唱える修道会での習慣が何時でも、何処でも、誰とでも自由な形でできることから、次第に信徒の中に浸透してきたと考えられます。
「ロザリオの祈り」は、「アヴェ・マリアの祈り」を唱えながら、福音書の中に記されるキリストの主な出来事を黙想していく祈りのことです。「ロザリオ」という言葉は、ラテン語では“ロザリウム”つまり“バラの冠“という意味を持っています。「アヴェ・マリアの祈り」一つをバラの花と見なし、それを連続して唱えることでバラの花冠を編み上げるというイメージからきているそうです。とってもとっても美しい表現ですね。

今日の「ロザリオの聖母」の記念日は、1571年のギリシア・レパントの海戦で、キリスト教徒軍がオスマン・トルコ軍に対して勝利を収めたことを記念して、聖ピオ五世教皇(1566~1572)によって定められたのでした。この勝利は、ロザリオの祈りによってもたらされた聖母の助けによるものであると堅く信じられています。またレオ十三世教皇(1878~1903)は、10月を「ロザリオの月」と定めました。
このブログに掲載した「ロザリオ」に関係する記事は多いのですが、まだ「ロザリオの祈り」の祈り方をご存じない皆さんに参考にしてもらいたい記事は、「ロザリオの祈りのお話し(修正版)2018.9.9」です。ロザリオの祈り方の詳しい説明を書いていますので、是非ご覧下さい。https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2018-09-09
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