新約聖書:使徒言行録・第20章・第33〜第35節 [聖書]

「わたしは人の金や銀、衣服を貪ったことはありません。あなた方がみな知っているとおり、わたしのこの手は、自分の生活のためにも、また、ともにいた人たちのためにも働いたのです。あなた方もこのように働いて、弱い人を助けなければならないこと、また、『受けるより与えるほうが幸いである』と仰せになった主イエスご自身の言葉を、心に留めておくように、わたしはいつも模範を示してきました。」

『使徒言行録』は、『ルカによる福音書』の記者と同じルカによる著作です。内容は、イエス・キリストが復活して天に召された後の使徒(弟子)たちの活躍が描かれています。使徒の中でもペテロとパウロの活躍が中心となっており、キリスト教がエルサレム教会(キリスト教初期のユダヤ人のみのコミュニティー)から、異邦人(非ユダヤ人)社会へと広がっていった様子が書かれている古代キリスト教時代の重要な書となっています。

この聖句は、使徒パウロの言葉です。「受けるより与えるほうが幸いである」という言葉は、罪を犯した人、病にある人、貧しい人などの弱者救済にすべてを与えつくされたイエス・キリストの教えです。私も含め、人生のほとんどを「受ける」ことで生きてきた人は案外と多いのではないでしょうか。「与える」ことの意味は、優しさ、思い遣り、親切、施し、寄り添いなど、いわゆる「隣人への愛の実践」です。心に刻むべき言葉ですね。
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