『使徒信条』について [祈り]

日本語の『使徒信条(しとしんじょう)』は、ラテン語では原文の冒頭の語をとって「クレド(Credo)」 という名称です。ミサで唱えられる私達信徒の代表的で基本的な“信仰告白”です。使徒信経(しとしんきょう)という人もいます。ローマ教会の古来の洗礼式の信条である「ローマ信条(2世紀後半ごろ)」に基づいて作られたもので、早くから公同の信条として用いられてきました。使徒信条という名称は、この信条が使徒たちの忠実な信仰のまとめとみなされていることによるということです。全部を12節に分け、十二使徒がそれぞれの節を書いたという伝説があるそうです。キリスト教の全教派に共通の日本語訳は存在しません。教派ごとに、また時代によってもいくつかの訳が存在します。カトリック教会は次のとおりです。

◯信徒信条(現代語訳)
「天地の創造主、全能の父である神を信じます。
父のひとり子、わたしたちの主イエス・キリストを信じます。
主は聖霊によってやどり、おとめマリアから生まれ、
ポンティオ・ピラトのもとで苦しみを受け、
十字架につけられて死に、葬られ、陰府(よみ)に下り、
三日目に死者のうちから復活し、
天に昇って、全能の父である神の右の座に着き、
生者(せいしゃ)と死者を裁くために来られます。
聖霊を信じ、聖なる普遍の教会、聖徒の交わり、罪のゆるし、からだの復活、
永遠のいのちを信じます。
アーメン。」
(2004年2月18日:日本カトリック司教協議会認可)

◯使徒信経(文語訳)
「われは、天地の創造主、全能の父なる天主を信じ、
またその御独り子(おんひとりご)、われらの主イエズス・キリスト、
すなわち聖霊によりて宿り、童貞マリアより生まれ、
ポンシオ・ピラトの管下にて苦しみを受け、
十字架に付けられ、死して葬られ、
古聖所(こせいしょ)に降りて(くだりて)三日目に死者のうちよりよみがえり、
天に昇りて全能の父なる天主の右に坐し、
かしこより生ける人と死せる人とを裁かんために来り給う(きたりたもう)主を信じ奉る。
われは聖霊、 聖なる公教会、諸聖人の通功、罪の赦し、肉身のよみがえり、終りなき命を信じ奉る。
アーメン。」

◯使徒信条(ラテン語)
「Credo in Deum, Patrem omnipotentem, Creatorem caeli et terrae,
et in Iesum Christum, Filium Eius unicum, Dominum nostrum, qui conceptus est de Spiritu Sancto, natus ex Maria Virgine, passus sub Pontio Pilato, crucifixus, mortuus, et sepultus, descendit ad inferos, tertia die resurrexit a mortuis, ascendit ad caelos, sedet ad dexteram Patris omnipotentis, inde venturus est iudicare vivos et mortuos.
Credo in Spiritum Sanctum, sanctam Ecclesiam catholicam, sanctorum communionem, remissionem peccatorum, carnis resurrectionem, vitam aeternam.
Amen.」

他に、「ニケア・コンスタンチノープル信条」があります。キリスト教の司祭の総会議である第1回コンスタンチノーブル公会議(381年)後に作られました。ミサで、使徒信条を唱えるときは、この「ニケア・コンスタンチノープル信条」を唱えている教会もあります。私が所属するカトリック成城教会も、この「ニケア・コンスタンチノープル信条」を唱える時もあります。見てのとおり少々長いですね(⌒-⌒; )

◯ニケア・コンスタンチノープル信条(現代語訳)
「わたしは信じます。
唯一の神、全能の父、天と地、見えるもの、見えないもの、
すべてのものの造り主を。
わたしは信じます。
唯一の主イエス・キリストを。
主は神のひとり子、
すべてに先立って父より生まれ、
神よりの神、光よりの光、まことの神よりのまことの神、
造られることなく生まれ、父と一体。
すべては主によって造られました。
主は、わたしたち人類のため、
わたしたちの救いのために天からくだり、
聖霊によって、おとめマリアよりからだを受け、
人となられました。
ポンティオ・ピラトのもとで、
わたしたちのために十字架につけられ、
苦しみを受け、葬られ、
聖書にあるとおり三日目に復活し、
天に昇り、父の右の座に着いておられます。
主は、生者(せいしゃ)と死者を裁くために
栄光のうちに再び来られます。
その国は終わることがありません。
わたしは信じます。主であり、いのちの与え主である聖霊を。
聖霊は、父と子から出て、
父と子とともに礼拝され、栄光を受け、
また預言者をとおして語られました。
わたしは、聖なる、普遍の、使徒的、唯一の教会を信じます。
罪のゆるしをもたらす唯一の洗礼を認め、
死者の復活と
来世のいのちを待ち望みます。アーメン。」
(2004年2月18日 日本カトリック司教協議会認可)

●参考図書
『信条 クレド ―教皇講話集―(ペテロ文庫)』
発行:カトリック中央協議会
著者:ベネディクト教皇・フランシスコ教皇
定価:900円+税
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